新時代 安井信子
銀杏(いちょう) もみじ 楢(なら) くぬぎ
鮮やかな色で人の心を明るくし
軽やかに木の葉を散らせて
樹木はすっぽり裸になると
寒気に清められ 新年を迎える
年重ねた人々は 人生の冬にあって
やがては迎える門出 新春のために
落とすべきものは落とし
祈り言に禊(みそぎ)しつつ
祈りで世界を浄め続ける
ゴミ 枯葉 災害でいっぱいの地球は
新しい段階に進むために
急激に身を清めているまっさいちゅう
光り輝く真祈りの合唱とともに
人類の新時代が明けてゆく
(風韻誌2012年1月号収録)