ナイロビでの体験
|
先日、ケニアに旅行した。ナイロビのホテルに泊まった最初の夜、奇妙なことが起こった。
草木も眠る丑三つ時、大きなノックのような音で目が覚めた。そのコツコツという大きな音は、不規則な間合いで聞こえる。泥棒が入ろうとしているのか?少し怖くなった。時計を見れば午前3時前。突然、重い家具を引きずるような、ひどく大きな音が響いた。誰がこんな時間に家具を動かすだろう?あまりに変だ。するとものすごい恐怖感が襲ってきた。必死で、「五井先生、五井先生」と心の中でお唱えする。
しばらくして、またコツコツという音。ベッドでも引きずるような大きな音。そして自分ではどうしようもない恐怖感。
「五井先生」と唱えているうちにうとうとすると、妙な夢を見る。そしてまた同じことが何度も繰り返される。怖くて暗いマイナスのイメージが次々と湧いてくる。私は人並み以上に怖がり屋の、弱い人間なのかしら。必死になってお唱えし、五井先生の小さいお写真が自分の丹田にあるように思い描く。五井先生のお姿が私の腹に納まり、そこから光が広がっていく、と感じるや否や、ふっと恐怖心が薄れていった。その後、また音は何度かしたが、不思議と恐怖心が起こらず、少し睡眠を取ることができた。
翌日わかったことだが、息子も同じ経験をしていた。私が「昨日はうるさかったね。変な夢も見たし」と言うと、息子「え?僕は怖い夢を見たよ。」 私「妙に恐怖感が襲ってきたの。」 息子「じゃ、おんなじだ!異様な恐怖感。あの音は普通じゃないね!」 私「だから『五井先生』って唱えてた。」 息子「ぼくもだよ!」 なんだ、二人とも知らずに同じことをやっていたのか。息子「そしたら、あるときからふっと怖くなくなった。音がしても、もう怖くなくなったんだ。チベットならともかく、ナイロビみたいな都会でこんなことがあるなんてねえ。」
いったいなんなのかさっぱりわからないけれど、五井先生ありがとうございます。こういうことがあると、自分ひとりの力や小知才覚は全く無力だとわかる。どんなに頑張っても、論理や知性など全く手も足も出ない。「五井先生」とお唱えできることがいかにありがたいことか。次の日から風韻誌を枕の下に置き、霊光写真を胸にかけて寝たら、何事もなかった。
(風韻誌2005年9月号)
|
|